ユーロに現れている明確な変化

対ドルでは下落の止まらないユーロですが、それ以外の通貨とのクロスペアでは明確な変化が現れ始めています。
今回はユーロの転換の兆しが現れているペアについて共有したいと思います。


ユーロポンド
欧州の2大通貨であるユーロとポンドの通貨ペアです。欧州圏の人にとってのドル円のような存在と言えるでしょう。

週足
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2020年年末から1年以上に渡って下降トレンドが続いていたのですが、先週そのガイドとなっていた下降トレンドライン(赤)をブレイク。
また、週足の戻り高値(オレンジ印)もブレイクし上目線転換しています。

0.86付近には大きな抵抗帯(グリーンバンド)が存在するため、まだまだ戻り売りが入ることは想定されるものの、大きなキャンドルで上記二つの要素をブレイクしたことは注目に値するでしょう。


チャート下にはドイツとイギリスの10年債利回りの差を表示しています。
2020年末からの下落局面では、この利回り差が拡大する傾向(イギリス債利回り>ドイツ債利回り)にありましたが、ここ数週間でその利回り差が縮小していることも注目材料の一つです。



ユーロフラン
こちらも欧州通貨であるユーロとスイスフランの通貨ペアです。


週足
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2021年序盤から現在まで下降トレンドが続いています。
2月のロシアによるウクライナ侵攻時にはパリティに到達したものの、それ以降はユーロ高の展開が続いています。

ここでも注目は両国の長期金利差です。

2020年3月のコロナショック以降、ドイツ、スイスの10年国債利回り差は0.04水準(青のライン)をキャップとする展開が継続していましたが、4月に入ってその水準をブレイク。

スイスの利回りも上昇してきていますが、それ以上にドイツの利回りが急上昇していることが要因です。
また、金融引き締めに向かっている欧州中央銀行に比べ、スイス中央銀行は緩和スタンスを崩していないことから、両国の金融政策の違いがより明確になりつつあるとも言えます。
その意味では、金利の先高観が乏しいスイスフランよりユーロの方に資金が向かっているとも見ることができます。


今回二つのユーロクロスのペアを見てきましたが、ユーロクロスでのユーロ買いが増加すれば、ユーロドルの動向にも影響します。
その意味でもこの二つのペアの動向は将来のユーロの先行きを見る上でも重要な指標になることでしょう。

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